[平成22年東京都立高校入試・理科・4] <実験1> メダカは、体の表面で水流の刺激を受け取ったとき、水流と反対の向きに、水流と同じ速さで泳ぐことがわかった。 <実験2> メダカは、水流とともに流れている水草の流れを、目で受け取ったとき、その流れの向きに合わせて泳ぐことがわかった。 <実験3> メダカが体の表面で受け取る水流の刺激と、目で受け取る刺激の2つの刺激を同時に受け取ると、どのように泳ぐかを調べるために、メダカ5匹を用いて、それぞれのメダカについて次の実験を行ったところ、どのメダカについても<結果3>のようになった。 |
(1) 直径の異なる3個の透明な円形水槽と棒を用意し、それぞれの水槽の底面の中心が重なるように置いた。それぞれの水槽に、8cmの深さになるように水を入れ、水の入った部分のうち外側から2つをそれぞれA、Bとした。 (2) Aに5cmの長さに切った水草(オオカナダモ)を10個入れ、Bにメダカを1匹入れた。AとBに棒を入れ、水槽の中心に対して水が時計回りに流れるように回した。棒を引き上げてから、時計回りのそれぞれの水流が止まらないうちに、メダカの泳ぐ様子を観察した。 また、同様にAとBに反時計回りの水流をつくり、メダカの泳ぐ様子を観察した。 |
<結果3> |
メダカの泳ぐ様子 |
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AとBに時計回りの水流があり、Aで水流とともに水草が流れているとき |
反時計回りの向きに水流と同じ速さで泳ぎ、その場にとどまるように泳ぐ様子が観察された。 |
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AとBに反時計回りの水流があり、Aで水流とともに水草が流れているとき |
時計回りの向きに水流と同じ速さで泳ぎ、その場にとどまるように泳ぐ様子が観察された。 |
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〔問3〕 <実験3>のように、メダカが体の表面で受け取る水流の刺激と、目で受け取る刺激を同時に受け取ったとき、メダカはどちらの刺激の影響を強く受けて泳いだと考えられるか、<実験3>から考えられることをその理由とともに簡単に書け。 |
この問題を解くには、国語の読解力と記述力が必要不可欠です!
<「国語的」解説>
○ メダカが、<実験1>のように、水流と反対の向きに、水流と同じ速さで泳いでいる場合
→メダカは、体の表面で受け取る水流の刺激の影響を強く受けて泳ぐといえる
○ メダカが、<実験2>のように、水流とともに流れている水草の流れの向きに合わせて泳いでいる場合
→メダカは、目で受け取る刺激の影響を強く受けて泳ぐといえる
○ <結果3>では、メダカはどららの流れでも水流と反対の向きに、水流と同じ速さで泳いでいる
※ 3つの実験結果を比較して、「メダカは、体の表面で受け取る水流の刺激の影響を強く受けて泳ぐ」ということが読み取れないと答えは出ない
[記述ポイント]
@ メダカは、体の表面で受け取る水流の刺激の影響を強く受けて泳ぐ
A メダカが、Aの水草の流れの向きに合わせて泳ぐことなく、Bの水流と反対の向きに泳いだことが考えられる理由
[解答例(公式)] メダカが、Bの水流と反対の向きに泳いだことから、Aの水草の流れを目で受け取る刺激ではなく、体の表面で受け取る水流の刺激に強く影響されたことがわかる。
[解答例(神尾)] メダカが、Aの水草の流れの向きに合わせて泳ぐことなく、Bの水流と反対の向きに泳いだことから、体の表面で受け取る水流の刺激に強く影響されたことがわかる。
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